透明の色【クリアパーツのお話】
紳士淑女の皆々様、おはようございます。おもちゃ好き屋さんです。ようこそおいで下さいました。
さて、各国の政治の不透明感や、汚濁した河川の水質浄化が叫ばれる昨今、当ブログをご覧の皆様は「透明」というものの良さを理解していらっしゃることと存じます。
そんな皆様方と、自身の愛を再確認するとともに、【クリアパーツ】について考えてみましょう。
クリアパーツとは、広く透明な部品、透明に作られた箇所のことを言います。本記事では便宜上、更に広義に捉え「透明に成型されたもの」全般をさして用います。理解に支障をきたすと私が判断した場合、随時「クリア成型」「クリア」等の言い換えを行いますので悪しからず。
透明、クリアとは、その語の示す通り、透き通り向こうが見渡せる様子です。その性質は、我々にどのような幸福をもたらすのでしょうか。
反面、考えのない多用や、粗悪品の使用は、食品のタッパーやペットボトルといった安さのイメージをも与えかねません。近年では、廉価に良い透明が扱えるようになりましたが、それでもどこかを怠ると、途端に物悲しさに襲われることでしょう。
苦言を呈しもしましたが、世に溢れるおもちゃに使われているクリアパーツの大半が良き働きをしていることは疑う余地のない事実です。故に人はクリアパーツに魅了され、クリアパーツを信奉するのです。ではここで、実際のおもちゃに添えられた、クリアパーツという名の華を矯めつ眇めつ眺めることとしましょう。
まずこちらをご覧ください。これは、キャラクターの実物へと玩具を近づけるため、言うなれば再現性の向上のためのクリアパーツです。この手法の素晴らしさは、何と言ってもクオリティが上がる点でしょう。特に実物がそうなっているもの、透明感のあるものを表現するにはうってつけです。
また、その発展として、上のグリッドマンがあげられます。実際の造形物以上にクリアパーツを強調することで、キャラクター本来のイメージに近づけようとしています。
ここまではキャラクターや実物優位のクリアパーツについてお話ししましたが、こちらのLVURシリーズにおけるクリアパーツの利用は、実に理にかなっております。
まずはゴーグル部分の本編再現。これは上でもお話ししたように、フィギュアの出来を格段に良くします。瞳の塗装の保護にも一役買っていますね。
続いて胸部を見てみますと、シール保護は上記と同様に、共通造形を成している様も伺えます。複雑な模様や塗装をシールで再現したぶん、クリアパーツを造形することでコストカットに成功しながらも、見事に完成度を高めています。
これらの点を、クリアパーツを利用するというひとつの選択ですべて賄うことができているのです。この多面的な利便性も、人々がクリアパーツに心を奪われる所以でしょう。
クリア成型を語る上で避けて通れないもののひとつに、限定品があります。
クリアの綺麗さで物としての完成度が高く見える、特別感があるなど理由は様々でしょうが、ある程度の完成度をキープした上で低コストに生産できることが相当に魅力なのだろうと考えられます。最近はこれら限定品のクリア素材も品質が向上しており、美しさのある透けはまるで宝石のような輝きを放っています。この宝物感もクリア成型の魅力です。冒頭に挙げたオビツ製キューピーはそれらの中でも断トツの透明度を誇る、芸術品の域に足を踏み入れた傑作です。
こちらは最高峰玩具の一角、レゴブロックの松明です。
まるで本当に火が灯っているようですが、画像加工やライトのギミックなどではありません。単に暗い中で、ぼんやりと光を当てて撮った写真です。レゴほどの澄んだクリア成型をもってすれば、ここまでの集光を成してしまいます。
その他にも、クリアパーツを造形やギミック、成型に活かした玩具は枚挙に暇がありません。皆様もこれを機に、身の回りのクリアに目を向けてみてはいかがでしょうか。透明感というものは、それだけで清々しく、美しく、瑞々しいものなのです。クリアパーツの未来に想いを馳せるとともに、皆様が良いおもちゃに出会えますよう、心よりお祈りいたします。
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