涙に馬謖が斬られた未来【ボトルチェンジライダーシリーズのお話】
皆様ご機嫌麗しゅう。またしても日が空いてしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。おもちゃ好き屋さんです。
さて、決断というものは色々な側面がありまして、それは良き結果も、望まぬ未来も生み出します。その上、どのように他人の目に映るかによって、更に七色に変容するものです。しかし、決断をしたという事実は揺らぐことなく残ります。
今回は、そんな決心とその結果のお話。先日発売されました仮面ライダービルドのアクションフィギュア、「BCR」シリーズを見ていきます。そこに下された判断がもたらした変化は、どのような結晶を生み出したのでしょうか。
これまでも、これら男児向けのアクションフィギュアは様々なギミックや完成度の高さで私たちを楽しませてきてくれました。その歴史に鑑み、今シリーズにおいて特筆すべき転換のひとつとして、首や腰の可動をなくしたことが挙げられるでしょう。
例を出すとキリがないので割愛しますが、従来の同系統のフィギュアシリーズにも、このような可動のオミット、特に首や腰に関してのものはごまんとありました。それらは当記事をご覧の皆様でしたらほとんどの方がご存知でしょうし、私も承知の上です。ではなぜ「特筆すべき」と述べたのかと申しますと、歴代シリーズで、他ブランドのアクションフィギュアとも遜色ないほどに増えてきた可動範囲を、首と腰の両方を固定し、あえて減らす決断がなされているためです。
はじめにお伝えしておきますと、私はこれを英断だと考えております。先に述べましたように、これらのシリーズには様々なギミックが盛り込まれておりますが、人型のアクションフィギュアである、という点は共通しています。そのため、可動範囲は誰の目にも比較対象にしやすいものとして映るのです。前作エグゼイドで広がった可動域を削減する。果たして同じ状況に立たされたとき、同様の判断ができるだろうか。そういったことを考えさせられます。
無論、私も手放しに賞賛しているわけではありません。これによって生まれた「遊びやすさ」が、このおもちゃを傑作に押し上げたといっても過言ではないと思わされたのです。
まず何より、慣れるとワンアクションで全身が二分されるギミックの簡潔さが挙げられます。今後発売される同シリーズとの組み換え遊びも苦なく楽しめそうです。そして、この「ワンアクションで全身が二分」される点こそが、これを英断と言える大きな要因なのです。
パーツの紛失や組み換え間違いがほぼ起こらないというのもそうなのですが、それらも含めて、説明書不要と言いますか、一度の説明があれば(おもちゃに慣れ親しんだ方ならそれさえ必要なく)、直感で遊べます。この、基本の遊び方はなんとなく把握でき、そのあとは自由に世界を構築できる感覚。傑作おもちゃと言ってもその区分は多岐に渡りますが、間違いなくその中のひとつに分類できます。首と腰を固定し、半身を同一パーツとしたことで得られた最大の恩恵ではないでしょうか。
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